例えばカメラやSafari、写真(アルバム機能)などにTwitterへの発信機能が付けられているのはご存知の通り。写真に関して言えば、iCloudのフォトストリームと組み合わせることで、人気の写真系フォト共有サービスと同様のことがより簡単に、標準アプリケーションだけで可能になる。TwitterのサポートはOSのAPIとして実装されているので、どんなアプリケーションでも気軽にTwitterの活用が可能となるが、既存サービスは変革を求められる。
ほかにも事例はあるが、何かのアイディアが広く使われるようになり、OS側でサポートした方が全体の利益になると判断する機能なら、多少の歪みが出たとしてもシステムに取り込むべきだとは思う。しかし、iOSの付加価値を高めてきたのは、既存の人気サービスと人気アプリケーションであることは言うまでもない。視点を変えると、iPhoneやiPadを魅力的に見せる役割は、パートナーであるデベロッパーも担ってきた。
OSという基盤技術に、アプリケーションレベルの機能を取り込む際には、これまでも色々な問題が起きてきた。Windowsもシステムに各種機能を取り込む過程でさまざまな軋轢を生んできたのは確かだが、デベロッパーに対する配慮はMicrosoftの方があったように思う。少なくとも、突然はしごを外すようなやり方はせず、ケンカをしながらも着地点を捜していた。
1990年代のコンピュータと今のスマートフォンのビジネス概況は異なるとはいえ、Appleはこのところ、アプリケーション内課金のルール変更やApp Storeへの登録ポリシーの予告なき変更などでも批判に
曝されている。
iOSの機能強化はユーザー視点では良い面の方が多いのだが、長期的に見るとデベロッパーの離脱へとつながらないかとやや気になり始めている。今のiOSデバイスの稼働数を考えれば、そう簡単には衰退はしないだろう。しかし、こうした思いは年々、つもりゆくものでもある。
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