iPhone OSとAndroidが熾烈な戦いを繰り広げる中、それぞれのプラットフォームに向けてアプリケーションを開発しているデザイナ/開発者の皆さんは、どちらのプラットフォームを選択するか悩みを抱えているのではないでしょうか。
また、Web上でサービス開発を行っていたWebデザイナ/開発者の皆さんは、iPhone OSの Objective-Cや、AndroidのJavaによるアプリケーションの開発に戸惑いを覚えてはいませんか?
紹介する「Titanium Mobile」は、そうしたデザイナ/開発者の皆さんの声に応える期待のアプリケーション開発環境です。HTML+JavaScript(+CSS)というWebデザイナ/開発者になじみの技術を使って、同じソースコードからiPhone OS/Android両方のプラットフォームに向けてモバイルアプリケーションを開発できます。
「Titanium Mobile」って何?
□ Webの技術でネイティブアプリを開発
Titanium Mobileは、Appceleratorが提供するソフトウェア開発環境です。以下の特徴を持っています。
- オープンソース
- Apache 2.0ライセンス
- 開発ツールは、Windows/Linux/Mac OS Xで動作(ただし、iPhoneアプリの開発にはMac OS Xが必要)
- HTML+JavaScriptでアプリケーションを開発可能
JavaScriptをサポートしているため、jQueryやYahoo! UI Libraryなどの豊富なJavaScriptフレームワーク/ライブラリ資源を活用できます。
□ ネイティブAPIのサポートにより、Webアプリの制限から解放される
JavaScriptで動作するWebアプリケーションは、通常Webブラウザ内で動作が完結し、ファイルシステムやカメラデバイスなどにアクセスできません。しかし、TitaniumはJavaScriptからOSネイティブな機能にアクセスするためのAPIを用意していて、ネイティブアプリと同様の機能を実現できます。
- テーブル、ボタンなどUI(ユーザーインターフェイス)の利用
- ファイルシステムへのアクセス
- GPSによる位置情報の取得
- Googleマップを利用したアプリ開発
- 画像や動画などメディアプレイヤーの利用
- HTTPなどネットワークAPIの利用
- SQLiteをベースにしたローカルストレージの利用
□ iPhone OS/Android両方のプラットフォーム展開をサポート
Titaniumは、上記のOS固有のAPIへのアクセスを抽象化するミドルウェアになっていて、コードのほとんどをiPhone/Androidで共用できます。
プラットフォーム固有の処理も部分的に必要になりますが、基本的には「一度書いたら両方で動く」と考えていいでしょう。
□ デスクトップ版も
なお、「Titanium Mobile」のほかに、HTML+JavaScriptに加えて、Python・Rubyも使ってWindows/Linux/Mac OS Xそれぞれ用のアプリケーションを同じコードから開発できる「Titanium Desktop」があり、なんとTitaniumの開発環境自体がTitanium Desktopを使って構築されています
| ネイティブ | Webアプリ | ローカル |
OS固有の機能 | ○ | × | × |
オフラインでの動作 | ○ | × | ○ |
動作スピード | ○ | △ | △ |
開発言語 | Objective-C | HTML+JavaScript+サーバサイド | HTML+JavaScript(+サーバサイド) |
開発の容易さ | △ | ○ | ○ |
マルチプラットフォーム対応 | × | ○ | ○ |
App Storeでの配布 | ○ | × | × |
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