2011年6月9日木曜日

フェイスブックの顔認識機能、プライバシー侵害との懸念も

 会員制交流サイト世界最大手の米フェイスブックは、同社の自動顔認識機能が欧州当局などからプライバシーの侵害ではないかとの懸念が示されていることを受け、欧州当局に情報の提供を始めている。

 フェイスブックは「正式な調査」を受けているわけではないとした上で、同社広報は8日、電子メールでロイターに対し、「この機能に関する規制当局からのコメントに留意し、追加情報を当局に提供している。懸念は解消されると確信している」と述べた。

 この顔認識機能は「Tag Suggestions」と呼ばれ、フェイスブック上に新たに投稿された写真に写っている人物を自動で認識し、ユーザーにタグ付けを提案するというもの。過去にタグ付けされた写真と比較して、合致する人物を割り出す仕組み。

 昨年12月に顔認識機能を米国で導入する計画を発表したフェイスブックは7日、「ほとんどの国」でサービスが開始されたことを明らかにした。

 一方、ブルームバーグが8日に報じたところによると、欧州連合(EU)域内各国のデータ保護当局で構成する第29条作業部会のメンバーは、プライバシー規定に抵触する恐れがあるとして、同部会が調査に乗り出す予定だと述べた。

 また、プライバシー保護団体などは、新機能に関する通知が十分でなかったことに加え、タグ付け提案が自動的に有効になっていることに懸念を表明。機能を開始するかどうかはユーザーに委ねるべきだと訴えている。

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