Oracleは、Androidが同社が保有するJavaプラットフォームに関連する特許と著作権を侵害している、と主張した。このことから、 AndroidはJavaの「パクリ」であるかのように認識している読者がいるかもしれない。米国のニュースサイトの記事でも、「Androidはクリー ンルーム実装だから云々」といった論調がある。「AndroidはJavaのクローンである」との認識があるのだろう。
技術的な立場からは、上記の認識は正しくないと考えられる。Android上では、Javaプログラミング言語によるアプリを開発できる。しかしAndroidは、Javaプラットフォームの単なるクローンではない。Dalvik VMは、新たなアーキテクチャに基づき再構築した新たなプラットフォームと見た方が実態に近い。
Androidの軸となるDalvik VMは、Linuxのプロセス・モデルを巧みに利用して、Androidの良い特徴を導き出している。例えば各アプリは独立したプロセスとして動作し、 使っていないアプリは、プロセスごとkillされる。この仕組みにより、迅速で確実なメモリ解放が行われる。これは、OS独立を是とするJavaプラット フォームの発想とは異なる。
技術的な観点からは、Androidの中核であるDalvik VMが、Javaのクローンであるとは言い難いのである。単に中間コードの形式が違うというだけでなく。
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