2011年6月15日水曜日

Androidの方向性

 HoneyCombの新リリースとなる3.1において、Androidの方向性がより鮮明に示されることになりました。目玉は周辺機器接続の強化です。Android端末と接続するUSBハードウェアの規格であるAndroid OpenAccessoryを定め、リファレンス開発キットも用意しました。このため、USB接続機器メーカーは容易に自身の製品をAndroidデバイスに対応させることができるようになりました。ご存じのとおり、USBはPCでは最も一般的な接続インタフェースで、歴史も長いため対応機器の数も膨大です。しかし、有線による周辺機器の接続を良しとしなかったアップルはUSBをiPadに搭載しませんでした。このような両者のポリシーの違いが、獲得するユーザー層や用途にも影響すると考えられます。
 なお、少し前の話題になりますが、インタフェースという点では、非接触近距離無線通信技術の1つであるNFCも見逃せません。携帯電話を中心に広く普及すると見られていますが、特にAndroidデバイスでの採用を見込んで、Open NFCというオープンソースのNFCプロトコルスタックが登場しています。同じく近距離無線ですが実効速度375Mbpsという高い転送率が特徴のTransferJet、センサーネット向けの無線通信技術であるZigBeeなども今後ある割合で一般家庭に普及すると見られます。トータルバランスのような話題は別にありますが、そういったいくつもの新しい技術に対するスピーディーな対応という点でAndroidは勝っています。
 上述の通り、iPadをキャッチアップするためにAndroidは分枝せざるを得ませんでしたが、Ice Cream Sandwichはこの再統合を大きな目的としたリリースとなります。分枝自体が予定外であったわけですから、統合は新しいイベントというよりは分枝の後始末と捉えるべきです。また、Ice CreamSandwichのリリース時にはオープンソースの公開もなされる予定であるとのことでした。HoneyCombはおそらく過渡期のリリースとして扱われ、オープンソースは最後まで公開されないと思われますが、そうして見ると、GoogleはいまだiPadショックの真っただ中にあるといえます。

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