2011年5月19日木曜日

NECカシオが総力戦で挑むAndroid市場——LTEスマホも「タイムリーに投入」

NECカシオモバイルコミュニケーションズは5月18日、2011年度の事業戦略と、発表されたばかりの携帯電話夏モデルに関する製品説明会を行った。
 同社は2011年夏、NTTドコモ向けに「MEDIAS WP N-06C」「CA-01C」「N-05C」の3機種と、KDDI向けに「G'zOne IS11CA」「CA007」の2機種を供給する。
 このうちAndroid端末のN-06Cは、春モデルの"世界最薄"スマートフォン「MEDIAS N-04C」を防水仕様にした製品。N-04Cはワンセグやおサイフケータイ、赤外線通信に対応しながら厚さがわずか7.7ミリというスリムさが人気だが、N-06Cは厚さ7.9ミリとわずか0.2ミリの増加で防水性を持たせている。
 もう1つのスマートフォンであるG'zOne IS11CAは、4月末に米Verizon Wirelessから発売された「CASIO G'zOne COMMANDO」をベースとするモデル。スマートフォン初のタフネスモデルとして防水防塵性と耐衝撃性のほか、おサイフケータイと赤外線通信という、日本市場で重視される機能を追加している。
 事業説明に登壇したNECカシオモバイルコミュニケーションズ 代表取締役 執行役員社長の田村義晴氏は、「NECの携帯電話事業体とカシオ日立モバイルコミュニケーションズが2010年度に1つになり、その結実として昨年末に『N-03C』を開発できた。この春にはNECの持つ薄型技術を生かしたMEDIAS N-04Cと、カシオの持つ"タフ"技術を際立たせたG'zOne COMMANDOを発表した。非常に両極端の特徴をもつ2機種だが、開発や生産の現場はNECとカシオの共通化を強めシナジーを生み、効率的に強力な製品を開発できた」と振り返った。
 2010年後半から急激に拡大した国内のスマートフォン市場は、2011年度には前年比約2.1倍に達し、携帯電話市場の約半数に成長するとみられる。グローバルでは2015年に6億台強まで普及する見込み。その牽引役となっているのがAndroidを搭載するスマートフォンなのは言うまでもない。田村氏は、NECカシオがAndroid端末の開発に注力すると同時に、より高速な通信を可能とするLTE対応スマートフォンの開発も示唆した。
 「スマートフォン(Android)市場の攻略がNECカシオ成長の鍵。フィーチャーフォンがなくなるとは思わないが、主戦場はAndroidだ。Androidはオープン性が高く、(基本機能など)非競争領域の開発がスピーディに行える。その余力で自らの競争力を伸ばすことが重要。またスマートフォンと相性が良いLTEの流れにも乗り遅れることなく、タイムリーにスマートフォンへ(LTEを)適用していきたい」

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